「夫婦で習いたいのですが・・・」
はじめてお問い合わせをいただいたときに、びっくりしました。日本舞踊を夫婦で習うなんてこと、あまり聞きませんよね。
そして、実際にお越しいただきお話を伺ったら、さらなる驚きが・・・
「はじめまして。パントマイムとマジックを併せた芸をやっているキラリンと笑太夢(ショータイム)です。」
マジックとパントマイム?!それはすごいです。・・・しかし、いったいなぜ日本舞踊?
「簡単にいうと、和に触れたかったのです。今まで洋風の芸をやってきたので、和風の所作や動きを新鮮に感じて、少しでも自分のマジックに取り入れたいと考えていました。あるとき、マジックの世界で有名な松旭斎正恵先生に和の所作を習いなさいと言われたのが、実際に日本舞踊の先生を探したきかっけです。
そこで見つけたのが、英御流(はなぶさごりゅう)のウェブサイトでした。
「えぇー4回も無料でお稽古が体験できるの?ありえない!絶対ウソだと思いました。」とキラリンさんが笑います。
「日本舞踊は格式が高いイメージがありますよね。だから、実際に問い合わせするのには少し勇気が必要でした。そういえばこの間、はじめて体験された方も日本舞踊ってなんか怖いイメージがあるよねとおっしゃっていましたね(笑)。でも、英御流のウェブサイトではお稽古の内容など全てのことがとても丁寧に説明されていたし、先生やお稽古の写真も沢山載せてあったので、思い切って問い合わせしたのです。」
キラリンさんが代表して寿光(ひさてる)先生に電話し、本当に4回無料でお稽古が体験できることもわかり、英御流の稽古を試すことを決めました。
「びっくりの連続でしたね。」と笑太夢さんが最初のお稽古を覚えています。「まずは、杏奈さんに初めてお会いした時にびっくりしました。日本舞踊をやる外国人はなかなかいないからです。着物があまりにもお似合いでしたので驚きました(笑)。
そして、稽古場の雰囲気ですね。日本舞踊には厳しいイメージがありますが、先生と英御流のみなさんはとっても優しいので、壁を全く感じませんでした。最初はわからないことが多かったけど、踊りだけではなく着付けや着物の事なども説明してもらって嬉しかったです。通いやすい流派だなと思いました。」

「うん、確かにとても習いやすいところだなという印象を最初から受けました。先生が全てのことをとてもわかりやすく教えてくださることに感動しました。」とキラリンが言います。「ここを動かせばこうなるとか、教え方がとても具体的で論理的だし、とてもうまい。やはりプロですね。ほぼ1時間のお稽古は先生がずっと一緒に踊ってくださって、もったいないくらい丁寧な指導です。正直、長年も芸をやってきて、ちょっとくせのある私たち(笑)にとって所作を言葉でこんなに端的に、徹底的に伝えていただくのは初めての経験でした。」
「あとは撮影ですね!」笑太夢さんが続けます。「お稽古を最初から最後まで映像化してもらえるのには多分一番驚きました。他の流派ではありえないことでしょうけど、ホントに助かります。覚えが早い方ではないので、映像がなければ無理(笑)。振りを覚えるのもそうですが、自分を客観的に見られるのがいいですね。」

「英御流と関係ないですけど、日本舞踊について意外な発見もありましたね。」とキラリンさん。「日本舞踊にはストーリーがあることです。体験稽古の曲としては『飛梅の賦』(とびうめのふ)を選びました。菅原道真(すがわらみちざね)が可愛がっていた梅の木の話ですね。道真が京都から福岡に行くときに京都の庭に残された木たちはたいそう悲しみ、桜はその場で散ってしまったけれど、梅と松が道真を追いかけていく。松は途中で落ちてしまうけれど、梅は鶯に姿を変えて福岡の太宰府天満宮まで飛んで行き、そこで改めて根付くという面白い話です。
私はもともとパントマイムをやっているので、大きな共通点があることを発見し、とても嬉しく思いました。実は、有名なパントマイム マルセル・マルソー氏はこう言っています。パントマイムは日本のお能から生まれたと。実際にお能の影響を受けた日本舞踊をやってみて、ストーリー性をとても大事にしていることを強く実感して、深い縁を感じました。
日本舞踊はとても素晴らしい芸ですね。いつか自分の舞台にも活かせたらなと思います。」
わかりやすい指導、リラックスした雰囲気、効率の良い楽しいお稽古はキラリンさんと笑太夢さんが英御流に入門した理由です。
「体験が終わってすぐに『千本桜』(和楽器バンド)のお稽古に入りました。アップテンポで二枚扇を使っている、すごい踊りです。そして最近は『おてもやん』(民謡)はじめての面踊りに挑戦させてもらっています。まるでジャパニーズクラウンのようなものです。
先生がいろんな踊りを教えてくださるので、お稽古がホントに楽しいです。
そして、私たちの芸にもとても役に立ちます。所作や振りはもちろん、マジックで大事な手先の詳細な動きまで新しい技術が身につけられます。近い将来舞踊とマジックを混ぜた舞台をやるのが夢です。先生にぜひ協力していただきたいです。
・・・正直、こんなに安い料金でこんなに丁寧に教えてもらって大丈夫なのかな?と思っちゃいます。」と笑太夢さんが笑います。
「英御流に巡り会えたこと、言葉にできないくらい幸せを感じます。やっと自分たちでも日本舞踊がやれる時期がやってきたんだなと思います。」とキラリンさんが言います。
