みなさん、こんにちは!英御流杏奈です。
今回のテーマは日本舞踊の流派や教室の選び方ですが、、その前に・・・
ドイツ人の私がどのように日本舞踊と今所属している英御流(はなぶさごりゅう)に出会ったかお話しましょう!
早稲田大学に留学していた時のことです。「日本の伝統的な演劇をみたい」と、春休みに訪問してくれた母の気軽なリクエストは、私の人生を変えるきっかけになりました。
「日本の伝統的な演劇」といえば、歌舞伎ですね。ただ、当時歌舞伎は日本人でも分かりづらい難しい芸だと聞いていましたし、チケットの購入場所さえ分からなかい留学生の私にとってかなりハードルが高いチャレンジでした(笑)
歌舞伎を観に行くことは諦めたものの、初めて日本に来た母の希望に応えたいと思いました。そこで、日本の演劇に詳しいフランス人の知り合いのすすめに従い浅草にある木馬館へ大衆演劇を観に行くことにしたのです。
そこで観た踊りの美しさやお芝居の面白さに感動し、劇団に入団することを本気で目指す程、大衆演劇を愛するようになりました。
留学が終わって、一旦ドイツに帰りました。帰国する前に、大衆演劇に詳しい京都の先生に相談したところ「大衆演劇に入りたいなら、少しでも日本舞踊をやるといい」と言われたので、ドイツに帰りすぐに先生を探しはじめました。
「ドイツに日本舞踊が教えられる人がいるの?」と不思議に思っているでしょう。もちろん、なかなかいないですよ(笑)。
日本大使館や文化センターなどに問い合わせまくったら、奇跡的に、幼少時からから日本舞踊をやっていてドイツでモダンパフォーマンスアーティストとして活躍していた方を紹介してもらえました。
一年間ドイツでお稽古を続けた後、大学を卒業し、大衆演劇の夢を叶えようと日本に戻りました。
ここで、意外な問題が発生しました。
もちろん日本で踊りのお稽古を続けよう思ったけど、どこで誰に教えてもらえばいいかは全く分かりませんでした。
ドイツでは日本舞踊を教えてくれる人がほぼいないというのが問題でしたが、日本では選択肢が多すぎるのが問題でした。
流派か教室か、団体稽古か個人稽古、古典か新舞踊か……。わからないことばかりで悩みに悩みました。
「日本舞踊を始めたいけど、どこで誰に教えてもらえばいいのかな〜?」
「どうやって自分にあっている先生や環境を見つけるのかな〜?」
と悩んでいるのはきっと私だけではないと思います。そのため、この記事では、悩んでいるみなさんに自分の経験や知識を共有したいと思います。
日本舞踊をどこで習えるの?
習い事を楽しく学び続ける必要条件の一つは、教室や流派など、自分に合っている「場所」を選ぶことです。
日本舞踊なら、習える場所がたくさんあります。
日本舞踊は、日本の伝統的な習い事であり独特な制度を持っています
大きく分けると、日本舞踊を習える「場所」は二つです。
- 流派
- 教室
1. 流派

「流派(りゅうは)」って、みなさんにとって、あまり親しみのない言葉かもしれませんね。
流派というのは、日本舞踊や柔道、茶道など、ある分野で様式化された技や芸を継承する集団です。
他の団体と比べると、流派には家元(いえもと)や幹部、師範など組織構造があります。また、個人稽古、講習会、勉強会など様々なお稽古の種類を行っています。
料金は、先生に毎月決まった金額を渡す月謝制度が多いです。
2. 日本舞踊の教室
流派の他、多くの住民施設やカルチャーセンターでも日本舞踊が習えます。その教室はだいたい団体稽古です。教室の期間は3・6ヶ月に限られており、お稽古が週一回に行われます。
料金制度は様々ですが、チケットを購入し好きな教室に参加できるチケット制度が多いでしょう。
では、流派か教室、どちらを選ぶべきですか?
それはみなさんの好みや目的次第です!
日本舞踊の流派で踊りを習う人たちはどのいうな人たちですか?
1.「日本舞踊を本格的に習いたい!」と思う方
多くの流派では、さまざまなお稽古が体験できます。個人稽古では、自分のレベルに合わせて先生に一対一で踊りを教わることができます。苦手なところや癖などを手取足取り直してもらえ、早く上達できるお稽古です。
個人稽古以外に、講習会や勉強会といった色んな団体稽古を提供する流派も少なくないです。先輩と後輩、また流派外の日本舞踊家と一緒にお稽古し、たくさんの刺激を受けられる場面です。
流派には日本舞踊が大好きな人たちが集まってくるので、本格的に日本舞踊を学びたい方にはオススメします!
2.「大きな舞台に立ちたい!」と思う方
流派のお稽古のもっとも大事な目的は、舞台を仕上げることです。歌舞伎役者さんのように立派な衣装を着て、様々な踊りでお客様を喜ばせたい方は、流派に入門すべきです。
舞台の裏仕事や衣装・化粧の基本など体験できる流派もありますので、舞台のドキドキワクワク感をたっぷり味わいたい方は流派で舞台の夢を実現できます。
3.「いつか自分の弟子に日本舞踊を教えられたらいいな〜」と思う方
日本舞踊の世界では、名取(なとり)制度というものがあります。流派の「フルメンバー」になるために、流派の名前を取得する必要があります。
また、自分の弟子に日本舞踊を教えるために、師範(先生)の資格を取らないといけません。流派により名取制度が異なる場合もありますが、自分の弟子に日本舞踊を教えるために、流派の名前と師匠の許可が必ず必要です。
その上、流派では教え方や振り付けの基本など先生になるための必要なスキルを身につけることができます。
先生を目指している方はぜひ流派で日本舞踊を習ってみてください!
自分に合っている居場所を探している途中のみなさん、英御流で日本舞踊をやってみませんか?見学や無料の体験稽古を実施しておりますので、日本舞踊を体験されたい方、ぜひお気軽にお問い合わせください。
教室で踊りを習う人はどんな人ですか?
1.「日本舞踊ってどんなもの?」と悩んでいる方
日本舞踊や歌舞伎に少し興味があるけど、まずは実際にどんなものなのかを知ってみたい方は、教室で日本舞踊を習い始めるといいでしょう。教室の期間が限られているため、気に入らなければ気軽にやめることができます。
ただ、見学や体験稽古を提供している流派もたくさんありますので、まだ少し迷っている方でも一度流派のお稽古を試してもいいでしょう。
2.「日本の伝統的な習い事をやってみたいけど何がいいの?」と悩んでいる方
日本の伝統的な習いことに興味があるけど、日本舞踊でいいのか、お花やお茶でいいのかなと考えている方には、カルチャーセンターの教室をオススメします。チケット制度を提供するセンターでは料理や折り紙など他の教室も体験できますので、まずはいろんな習い事を試し、自分に合っているものを見つけるといいでしょう。
ちなみに、文化センターの教室などで教えている多くの先生たちは流派に所属していますので、教室から流派に入門し、名前を取ることも可能です。
これで、日本舞踊が学べる場所の違いが分かりましたね!
ただ、大都市だと、流派や教室がたくさんあります。その中から、自分にもっとも合っている流派や教室を選ぶポイントを整理しましょう。
自分が幸せになれる日本舞踊の流派・教室を選ぶには?
1. 目指しているのは何?
私は日本舞踊を学べるところを探す時、まずはウェブで調べてみました。しかし、当時は情報が非常に少なくて、あまり参考になりませんでした。その時、大変お世話になったのは浅草にある日本舞踊の専門店飯田屋の女将さんでした。彼女に悩みを聞いていただいた後、こう訊かれました:
「あなたは日本舞踊を真面目に習いたいですか?それとも、着物で遊びたいですか?」
大衆演劇の舞台を目指していた私は、「真面目に習いたいです」と答えました。
(今その瞬間を振りかえってみると、当時ほぼ何も知らずに日本舞踊についてかなり厳しいイメージを持ってしまい、「大丈夫なのか、私?!」とかなりビビちゃった(笑))
「真面目に習いたいなら、英御流寿光(はなぶさごりゅうひさてる)先生しかいないですね」と飯田屋の女将さんにー私が幸せになれた(笑)ー英御流を紹介していただきました。
「いつか舞台に立てるように、日本舞踊を習いたい」と目指している目的が自分の中にはっきりわかったからこそ、自分に合っている流派を見つけ、今まで日本舞踊を楽しく続けることができたと思います。
流派や教室を調べる前に、まず自分の目的や好みをはっきりさせるといいでしょう。自分で求めている、望んでいることが分かったら、失敗せずに自分に合っている流派や教室を見つけられるに違いありません。
2. 習いたい踊りは何?
日本舞踊を大きく分けると、「古典」と「新舞踊」二つの種類になります。
古典舞踊は、長唄や清元など日本の伝統的な音楽を利用し、昔から伝わってきた舞踊です。
新舞踊は、演歌など現代的な音楽を利用し、古典の振りや新しい振りを組み合わせた舞踊です。

「古典のみ」「新舞踊のみ」「古典も新舞踊も」、日本舞踊の流派には、三つのパターンがあります。そのため、どのような踊りを習いたいかも流派を探す前に考えるといいでしょう。
古典のみを教えている流派の一部ですが、中村流や花柳流、藤間流です。
千川流や宗山流などは主に新舞踊を教えている流派の例として挙げられます。
私が所属している英御流(はなぶさごりゅう)は、新舞踊も古典も、両方教えている流派です。弟子には古典が好きな人も、新舞踊が好きな人もいますが、両方をやってみるのが面白くて、成長にもつながります。
3. 長く続けられる環境はどんな環境?
日本舞踊を聞くと、「正座」や「稽古中質問禁止」など、厳しげな教え方のイメージが浮かぶ方が多いでしょう。
このような昔ながらの教え方を守っている先生もいますが、よりモダンな教え方をする先生もいます。例えば、英御流の寿光先生は、弟子が自宅で効果的に練習できるように一人一人のお稽古をカメラで撮影したりし、早く上達できるような環境作りに心がけていらっしゃいます。
先生といえば・・・
お稽古を長く続ける秘訣はやはり先生や仲間との相性ですね。この先生から踊りを教わりたい、この弟子たちと一緒にお稽古し舞台に立ちたい、そういう気持ちにならないと、習い事が楽しくありません。
自分に合っている環境を見つけるために、実際に出向いて体を動かしたり、先生と先輩とたっぷり話したり、実際にお稽古を体験することをオススメします!
日本舞踊の流派・教室を探す方法
好きな踊りや教え方は何かなど、自分が日本舞踊に何を求めるものを最初に考えることがはっきりしてきたら、次は情報を収集しましょう!
どんな流派や教室があるかを把握するために、ウェブで調べるといいでしょう。
私が日本舞踊を習えるところを探した当時にくらべて、今はウェブサイトを出している流派やカルチャーセンターが多いです。
また、習い事や教室をまとめて案内するポータルサイトもおすすめです。「日本舞踊」と場所で検索すれば、自分の身近にある流派や教室をチェックできます。
ウェブで良さそうな流派や教室があったら、スケジュールや場所を確認した上で、見学や体験稽古を予約し、雰囲気、先輩たちとの相性、お稽古のスタイルなど実際に体験してみましょう!
いかがでしょうか?
新しいことを始めるのは少し怖いでしょうけど、一方踏み出して、あなたが幸せになれる流派や教室を探してみてください!!
自分に合っている居場所を探している途中のみなさん、英御流で日本舞踊をやってみませんか?見学や無料の体験稽古を実施しておりますので、日本舞踊を体験されたい方、ぜひお気軽にお問い合わせください。