こんにちは。英御流杏奈(はなぶさごりゅう あんな)です。

いきなりですが、「日本舞踊」についてみなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか?
着物や美しい所作でしょうか?

それとも、「とにかくお金がかかる」というイメージでしょうか?

「日本舞踊はお金のかかる習いごと」「金持ちのお嬢様しかやらない」「一年に何百万もかかっちゃう」そんなイメージを持っている方がほとんどではないでしょうか。

無料体験稽古に参加する初心者の方々も費用についてはとても心配されていますし、実際、私が友達に「日本舞踊をやっているよ」と言うと、みんな驚いて費用のことを訊きます。「お金がかかるから」と、日本舞踊に興味があっても試さずに諦める方々も少なくないでしょう。

それは、意識せずに日本舞踊を気軽に始めちゃった(お嬢様ではありませんよ!笑)私にとっては非常に残念な話です。

だから、今回の記事は日本舞踊の料金についてお話します。少し触れづらいテーマですが、多くの方々がひっかかるところなので、お話しないわけにもいかないと思います。

でも、日本舞踊の料金や料金制度を説明する前に、まずはなぜ「日本舞踊にはめっちゃお金がかかる」というイメージが付いているのかを考えましょう。

なぜ「日本舞踊にはめっちゃお金がかかる」というイメージがあるの?

つい先日、着物のイベントに参加したときのことです。他の参加者の方に「着物を綺麗に着こなしていますね。よく着ているんですか?」と褒められました。「はい、よく着ます。日本舞踊を習っていますから。」と言ったら、雰囲気が一変しました。「日本舞踊ーー?!素敵ですね。でも・・・とても高いでしょう?!」とよくある反応。「流派によりますね。高いところは確かに高いですが、そうでもない流派もありますよ。」と答えたのですが、「ややや、それは違うでしょう。日本舞踊はすごいお金がかかりますよ。」と相手に否定されました(汗)。

ゴルフ、バレエ、生け花など、他にもお金のかかりそうな習いごとはたくさんあるのに、なぜ喧嘩になるくらい(笑)日本舞踊にはそのイメージが染みついているのでしょう。

原因は、日本舞踊の先生方がお金のことをあまり話題にしないことだと思います。
日本舞踊について調べたことのある方はご存知だと思いますが、日本舞踊を習うのに必要な費用に関する情報を見つけるのは大変です。カルチャーセンターの日本舞踊教室は別として、流派で日本舞踊を習う場合に必要な料金についてはあまり情報が公開されていないのです。

仮にお稽古の料金(月謝)の情報はあったとしても、その他に発生する料金(舞台、挨拶など)についてはほとんど表にでていません。残念ながら、入門した後にズルズルと言われることが多く、不安や不信のもとになっていると言えます。

ここは日本舞踊業界が反省しないといけないところだと私は思います。お金に関する情報を公開していないのには各流派内のポリシーや上下関係など複雑な理由がありますし、業界ではあまりに当たり前のことなので、昔ながらのやり方を踏襲している流派が多いのでしょう。

しかしあらゆる情報にアクセスできるデジタル時代の現在、情報不足は不信につながり、日本舞踊の世界の外にいる人々の想像力を悪い方向に走らせてしまします。「情報が出ていないのは、隠したいくらい料金が高いからでしょう?!」と思っちゃいますよね・・・

では、実際はどうでしょうか?日本舞踊は「高い習いごと」なのでしょうか?

他の習い事と同じように日本舞踊も習う人の目的はそれぞれです。そのため、ここからは趣味の一環として気軽に習いたい人(=最低限に必要なお稽古の料金)とプロを目指したい人(=師範までに必要料金)に分けてご案内いたします。

1. 気軽に習いたい方(=最低限に必要な料金)

日本舞踊の料金・料金制度について

カルチャースクールや文化センターにも日本舞踊の教室はありますが、流派とは料金制度が異なります。今回は流派の料金や料金制度についてのみ説明していきます。

1. 稽古代

1.1. 流派に入門する場合 月謝制度

日本舞踊の流派の料金制度は、月謝制が一般的です。そのため月に一回、決まった金額を師匠にお渡しすることになっています。

その金額は、流派や師匠はもちろん、弟子の立場によっても異なります。月謝がもっとも安いのは平弟子(一番下の弟子)で、流派で立場が上がるほど高くなります。それは、流派から得られるメリットが増えるからです。例えば、師範になると流派の名前と身につけた知識や技術を活かし、弟子を取って教えることで収入を得られるようになります。

月謝の額は流派によって大きく異なるので、一概にどのくらいかは非常に言いづらい(汗)のですが、だいたい平弟子の月謝で10,000円〜25,000円の範囲でしょう。

わかりやすくするために、私が所属している英御流(はなぶさごりゅう)の月謝制度を例に挙げましょう。

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*英御流(はなぶさごりゅう)の場合*

大人  17,000円
〜中学生  5,000円
高校生   7,000円
大学生   10,000円

月謝に含まれるものも流派によります。

英御流なら個人稽古(月に4〜6回)、講習会と団体稽古など、流派が提供している全てのお稽古に参加していただけます。「踊り放題」ですね(笑)。また、稽古場に運用するために必要な設備費も全部含まれています。エアコン代など設備費を別にとる流派もあります。
月謝の他に不定期に発生する費用があります。

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季節の挨拶

多くの流派では、先生にお中元(7月)とお歳暮(12月)を贈る習慣があります。金額は流派によって異なりますが、1ヶ月分の月謝をとる流派が多いでしょう。

1.2. 流派に入門しない場合 チケット制度

一般的には月謝制度をとる場合が多いのですが、最近はチケット制度を提供している流派も増えています。毎月固定の費用を払うよりも、まとめてチケットを購入し、お稽古を受けるたびにチケットを利用するのは、忙しい方にはとても便利な仕組みです。

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*英御流の場合*

英御流では、月謝制度とチケット制度が両方存在しています。

単発の個人稽古

チケット制度(単発)の対象は入門はしない・できない(他の流派で習っているから、など)けれど、寿光(ひさてる)先生の個人稽古を受けたいという方におすすめです。お稽古内容により二つのコースがあります。

新舞踊・小曲   4回分のチケット 20,000円(一回に5,000円)
古典・所作直し  8回分のチケット 80,000円(一回に10,000円)

月謝制度と比べると一回のレッスンのお値段が少し高めになりますが、忙しくて月1〜2回しかお稽古に参加できない方にとってお得です。

団体稽古

流派に入門する弟子は上記の月謝制度に当てはまりますが、団体稽古(若樹会)のみに参加される方々はチケット制度となります。4回分のチケットは8,000円(一回に2,000円)で、チケットの有効期間は3ヶ月です。

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2.入会費

一般的に日本舞踊の流派でもスポーツ団体のように「入会費」が必要です。入門するときだけ支払うもので、金額は5,000〜20,000円程度です。

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*英御流の場合*

英御流の入会金は6,000円です。ただ、これには扇子代と手ぬぐい代が含まれているので、入会というよりも踊りに必要な小道具代と言えます。

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いかがでしょうか?ここまでご紹介した費用を考えると、他の習いごとと比べて日本舞踊が極端に高いわけではないでしょう。

ただ、多くの方々が悩むのはおそらく月謝や入会費ではありません。舞台や名取の料金が気になっているのではないでしょうか。

3. 舞台料金

日本舞踊の晴れの場面は、何と言っても舞台です。日々、一所懸命練習してきた結果が披露できるワクワクドキドキの瞬間です。しかし日本舞踊の舞台にかかる費用は舞台の規模によって高いです。

あ〜言っちゃった(汗)

ただ、全ての舞台はとても費用がかかるわけではありません!

日本舞踊の舞台には大きく分けて「勉強会」(おさらい会、浴衣会)と本会という二つの種類があります。

勉強会とは、弟子たちが手持ちの着物や小道具を使い、裏方の仕事も含めて全ての役割を自分たちで担当するもので、入場無料の小規模な舞台です。

本会とは衣装を纏い、かつらや化粧品を使い、大道具を揃えている大きな舞台で行うもので、入場料をとる大規模な舞台です。

勉強会の費用

勉強会の場合に、一番お金がかかるのは会場費です。会場費を抑えるために、小さなホールやイベントスペースを借りることが多いです。会場によっては、照明や音響、楽屋を別料金で借りる必要がある場合もあります。

衣装や化粧、小道具などは、すべて手元にあるものや互いに貸借りしたものを使うので、比較的安く済みます。

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*英御流の場合*

英御流では、本会よりも勉強会を行うことがほとんどです。その一つの理由は、せめて一年に一回は弟子たちに(金銭的に)無理せず舞台に立ってほしいという先生の想いによるものです。そしてもう一つ、大きな理由として言えるのは、照明やアナウンスといった踊り以外の分野についてもたくさん勉強できるということです。

英御流の勉強会の費用は支部や実際に踊る曲の数によって異なります、一人当たり12,000〜50,000円です。着付けと髪のセットを頼む場合は追加料金(着付け 一曲につき5,000円、髪のセット 5,000円)がかかりますが、それ以外の費用は全て含まれています。

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本会の費用

会場費や出演者の人数次第で大きく変わります。また、各演出者が負担する費用は、自分が踊る演目時間とその演目に必要な大道具・小道具・衣装・かつら・化粧代、一緒に踊る方やお手伝いいただく方へのお礼など、さまざまな料金に大幅に左右されます。一人当たりの費用は本当に言いづらいですが、だいたい30万円〜100万円という金額が一般的でしょう。

本会を行うタイミングもまちまちです。毎年開催する流派もあれば、費用負担を考え2・3年に1度という流派もあります。

かなり大きな金額なので、必ず舞台に出ないといけないのか気にしている方も多いでしょう。実は、舞台に出る・出ないのきまりも流派によって異なります。舞台の演出を必須にする流派があれば、弟子それぞれに任せる流派もあります。

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*英御流の場合*

英御流は毎年勉強会を行っています。本会の頻度は3・4年に1回の程度で、比較的少ない方です。

舞台出演が必須かどうかという点については、英御流での舞台出演は基本的に自由です。もちろん派手な舞台を作り上げるために、多くの方に出ていただいきたいですが、弟子にお任せします。

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いかがでしょうか。特に舞台に関しては一概にいくらと言えないので判断しづらいですが、発表会のあるお稽古事と捉えて参考にしていただけたら嬉しいです。でも、おそらく「日本舞踊の費用がめっちゃ高い」というイメージは、舞台の料金だけではなく、次に説明する名取の制度が影響しているのではないかと思うのです。

2. 将来弟子を取りたいと考えている方(=師範となるまでに必要な料金)

日本舞踊の流派は会社の組織と同じように、レベルに応じて階層化されています。そのシステムを家元制度と言います(家元制度について詳しく知りたい方はこちらへ)。

一番下にいるのが平弟子です。そのひとつ上のレベルは名取(なとり)と言います。名取になるためには流派の名前をいただく式(名取式)があります。

正直にいいますと、名取にはさまざまな費用がかかります。

ただ、入門したら必ず名取にならなければいけない、というわけではないのです。2・3年経つと弟子に名前を取らせる流派もありますが、ずっと平弟子でいても大丈夫という流派もあります。

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*英御流の場合*

英御流の場合、名取になるのは必須ではありません。その理由は、家元 寿光先生の考え方にあります。将来的に師範として日本舞踊を教えることを目指すなら、名前をとり、師範になるのは自分の将来への投資のようなものです。言い換えてみると、最終的に他の人に教えることを目指さなければ、名前をとったり、師範になったりする意味がないと考えているからです。そのため、多くの弟子に流派の名前を取ってもらうのは嬉しいことですが、弟子を持つ気はないという方に名取を強くプッシュすることはしないのです。

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名取の規則は流派によって異なります。日本舞踊の流派を選ぶ前に、自分の目的と流派のやり方を徹底的に考えることを強くおすすめします。もし名取や師範を目指さない、あるいは何をしたいかがまだわからないならば、名取を強調する流派はさけたほうがいいかもしれません。

稽古代

流派や師匠はもちろん、弟子の立場によっても異なります。月謝がもっとも安いのは平弟子(一番下の弟子)で、流派で立場が上がるほど高くなります。それは、流派から得られるメリットが増えるからです。例えば、師範になると流派の名前と身につけた知識や技術を活かし、弟子を取って教えることで収入を得られるようになります。

わかりやすくするために、私が所属している英御流(はなぶさごりゅう)の月謝制度を例に挙げましょう。

*英御流(はなぶさごりゅう)の場合*

平弟子  17,000円
名取  20,000円
準師範  25,000円
師範   25,000円

名取式の費用

名取式にもさまざまな費用がかかります。英御流の名取式を例としてあげましょう。

英御流の名取式

*英御流の場合*

  • 名取式の基本料金:500,000円
  • 取り立て師匠へのお礼:基本料金の10%
    (説明:自分の先生に対してのお礼)
  • 家元へのお礼 1ヶ月分の月謝
    (説明:流派のトップへのお礼)
  • 英御流の帯の作成代:50,000円〜80,000円
    (説明:英御流では流派の着物はありませんが、流派の家紋が入っている帯があります。名取式はその帯を作るタイミングとなります。)
  • 門札免状: 25,000円
    (説明:新しい名前が入っている門札と免状の作成代)
  • 手ぬぐいの作成代:50,000円
    (説明:日本舞踊の世界では自分の名前が入っている手ぬぐいを名刺変わりとして使うことが多いです。新しい名前を披露するために、名前をとる段階で自分の手ぬぐいを作ることが多いです。)
  • 食事代:15,000〜40,000円
    (説明:食事代はその日に試験を受けるすべての名取に負担していただきますが、名取さんの人数や参加者の人数によって金額が大きく変わります。)

まとめ:日本舞踊はめっちゃ高いですか?

ここまで読んでこられた方はおわかりのとおり、これはとても答えづらい質問ですね。流派の活動方針やみなさんの目的によって必要な費用は大きくことなるからです。

高いところもあれば、気軽に習えるところもあります。趣味で習いたい方は名取を気にせず安く済む一方、「大きな舞台に立ちたい」「師範を目指したい」と考えている方は、やはりその夢に投資しないといけません。

以下の表では、目的によって料金がどう変わるか、英御流の料金をもとに改めてまとめてみました。

料金流派に入門せず、気軽に習いたい方流派に入門し、じっくり習いたい方将来弟子を取りたいと考えている方
入会費なし6,000円6,000円
稽古代一回に5,000〜10,000円(お稽古内容による)大人    17,000円
〜中学生 5,000円
高校生  7,000円
大学生  10,000円
平弟子  17,000円
名取  20,000円
準師範  25,000円
師範   25,000円
季節挨拶(7月・12月)
なし月謝の1ヶ月分月謝の1ヶ月分
勉強会の出演費(毎年)出演可能(30,000〜70,000円)12,000〜60,000円(演出は自由)12,000〜60,000円(演出は自由)
本会の出演費(2・3年に1回)出演可能(400,000〜600,000円)300,000〜700,000円
(演出は自由)
300,000〜700,000円
(演出は自由)
名取式なしなし700,000〜800,000円
準師範の式なしなし〜450,000円
師範の式なしなし〜350,000円

(英御流の詳しい料金表はこちら。)

みなさんの目的による料金がかなり左右されるため、日本舞踊を習う場所を選ぶ前に、まずはご自分の予算や目的(ずっと続けたい?早く成長したい?大きな舞台にたちたい?どのような先生に教わりたい?いつか弟子を持ちたい?などなど)について考えましょう。

英御流は、本格的な日本舞踊をお教えしますが、楽しく習ってただけるようにさまざまな工夫をしています。柔軟な料金制度もそのひとつです。

   

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